タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

「えと、そろそろ私帰っても……」


やばっ。

いま私言った?言っちゃった?!

ちょっとどころじゃない事口走ったよね!?

でも、無反応だからバレてない……?


「えっと、」

「ねえ、佐來さんって……〝あゆな〟?」



──ッ!!


心臓が今までにない跳ね方をした。


それから耳を疑った。

この子は、なにを言っているのだろう?


あゆな?
うん、私は〝あゆな〟だよ。


でも、それはどっちの〝あゆな〟を聞いてる?



「そうだけど……どうかしたの?」


そう、平常心、平常心。

落ち着こう、私。



「俺、佐來さんは〝あゆな〟なんじゃないかって」

「それは、どういう……?」

「倉村亜優奈って知ってる?」



──ドクン。



「こないだ不慮の事故で──」



目の前で口を動かす彼を見るも、まったく言葉か入ってこない。


でも、言いたいことはわかった。


さっきから連呼してる名前は〝あゆな〟じゃなくて〝亜優奈〟の方だ。


なぜ?
なんでそんなこと私に聞くの?

まさか本当に、バレちゃったの?


私はただしゃべり続ける新太をみた。



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