タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
「で、亜優奈はどこに行こうとしてるの?」
ほっとしたのも束の間。
痛いところをつかれた。
そうだ……私の家この壁の向こう!
だけど、この状況は無理。
新太いる。ムリっ。
いや、言い訳なんていくらでもあるじゃん!?
「ほら、さっきも言ったでしょ?」
「さっきって買い物のこと?」
「うん、そう」
「この壁に向かって?」
「そ、それはっ」
どしよ、オワッテル、これ最悪な事態だよ!
考えすぎて頭がグルグルする……。
ぜテルアさん!どうしよう!!
「あ、あゆな、お姉ちゃん!」
心の中で思い切り叫んだ瞬間、幼い男の子の声が耳に届いた。