タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
7.それぞれの気持ち
ありがとう
とうとうやって来てしまった。
夏休みが。
ああ、どうしようっ……!
なんでこんなに焦っているかって?
宿題が山ほど出されたから。
じゃないよ?
そんなの私には関係ないもん。
……。
ごめんね、みんな。
私にはタイムリミットという重大な問題があるんだよ。
そう、私はこの間にアイツに告らなきゃいけないんだ。
考えただけで、吐き気がする。
ねぇ。ゼテルアさん告りたくないよ。
ていうか、いつ告ればいいの!?
……もうすぐ夏祭りという大イベントが待ち構えているんだけど、さすがに私からは誘えないよ。
だって、〝あゆな〟と幸太郎はまだ出会ってまもないんだから。
まあ、アドレスは持ってるけどそんな勇気ない。
それに、断られたらどうしようとか。
私ってこんな弱っちいかったっけ……?
あの日は、なんで送れたんだろう。不思議だな。
既読スルーされたけどね。
「はぁ~~~っ」
「あゆなん、さっきから煩いわよ」
「だって、ねぇ……っうわ!」
ベッドに伏せたまま、顔だけ横を向けると、椅子に座っている神様、ゼテルアさんがいた。
びっくりした反動で思わずその場で正座をする。
目線はゼテルアさんから椅子へ。
また魔法みたいなので出したんだ。
いつでも出せるって便利デスね……。
「ふふ、寝起き相変わらず悪いわね~。朝ごはん出来てるから早く来て食べましょ」
そう言って笑みを向けると部屋を出て行った。
「……お母さんみたい」
そう呟いてから、あとを追った。