タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

「ねー、飽きないの?」


また1ゲーム終わったのをみて声をかけた。


両腕を上げて喜ぶゼテルアさんは私の顔を見るなり「あゆなんやろ!」って声を弾ませながら言う。


いや、『やろ!』じゃないし。

和人さんも『どうぞ』みたいな手しないで下さいよ……。


それから席を立とうとするから、慌てて声をあげて制した。


「和人さんやらないですからっ、そのまま相手してあげてください!」

「僕は充分楽しんだんで。どうぞ亜優奈さん」

「や、私ももう飽きたんで……」

「あゆなん!さあ!」


……だれか、助けて。

もうゼテルアさん1人でやっててよ。



「そんなの嫌よ。勝たせてあげるから、ほらこっち来なさい」


そう言いながら大きく手招きするゼテルアさんを睨んだ。


言い方が気に触った。

『勝たせてあげるから』!?


もう怒った!絶対負けない!ムカつくもの!!



「やってやろうじゃない!望むところよ!!」

「うふふ、いいわね!その調子よ~」



和人さんと入れ替わって相手を見る。


満面の笑みを向けるから、舌を出してやった。



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