タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

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目の前の白と黒が敷き詰められたボードを眺める。


こうなることは分かってた。


もう神様に向かって舌を出した時点で。


いや、始める前のジャンケンの時点で。


私はパーで、神様はグー。

勝った私は黒を選択し、先行となった。


黒を選べば大体勝つ私。
生きていた時も黒でほとんど勝っていたから、黒を選べば〝勝つ〟というジンクスを勝手に作っていた。


そして、信じてた。

逆に白だとダメダメで。



だから絶対に勝てると思いながら本気を出したのに……。



「なぜだ!!」

「ちょ、あゆなん!?」

「ズルしたでしょ!!」

「してないわよ!?」


思いきり手を横にブンブン振って全力拒否するゼテルアさん。


じゃあ、なぜ負けたの!?
最初私勝ってたよね?

角だって3つ獲得したよ?!


なのになんで白が勝ってんの?!



「なんで?私勝ってたのにーっ」


絶対心読んでたよね。だって読めるんだもんね。


ジーッとゼテルアさんを見る。


「な、なによ~」

「フン!」

「しょうがないじゃない、勝っちゃったんだもの」

「……勝たせてあげるって言ったじゃん」


それなのにさ、平気で勝っちゃうし。

最後の方絶対読んだよね?!


「私の心読みましたよね……?」

「よ、読まないわよ~」


明らかに嘘ついてるよ、ゼテルアさん。

今にも口笛吹きそうな口してるもん……。



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