タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

「あ、明日大丈夫だよ」

《じゃ、決まりね》


それに頷く。

楽しそうな声が聞こえてくる。


その声が心を掴んで、苦しい。


やだなぁ、私、涙もろくなっちゃったなぁ……。


本当にだめだ。思い出すだけで苦しくなってきちゃう。

涙声気付いてないといいな。

こんな楽しい会話をしてるのに涙を流してるってどう見てもおかしいに決まってる。


電話が終了したのは、それから30分後。

なんと一時間近くも喋っていた。


その後半は涙を堪えながら語ってた。

だから、相槌しかできなかった。


すごく体力を消耗した気がする。



いつの間にか後ろにいた3人はいなくなっていて、1人きりだと悟った私は、静かに泣いた。


思い出がある以上、この悲しみは消えてくれないんだ。


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