タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
少し落ち着きを取り戻した歩未は、呟くように私のことを話し出してくれた。
嬉しくなったり、悲しくなったり、私の表情も忙しくなりながら聞いていたけど、
最後は泣き顔でいた。
「なんで、あゆなちゃんが泣いてるのよ」
「うっ……な、んでって」
普通だよこんなの!
泣くに決まってるじゃんよ!
親友の気持ちを聞かされたら涙腺崩壊するわ!
だって、亜優奈ご本人がここにいるんですからっ。
そもそも、
『亜優奈のいない世界なんて考えられないもん』
『あの時振り払われないようにしっかり掴んどけばよかった……っ』
涙を流しながらそう言ってくれたから。
嬉しくてたまらない。
でもね、一番うれしかったのは、
『言い方悪いかもなんだけど。亜優奈とあゆなちゃんなんか私にとってセットなんだよね。すごくほっとするし、落ち着くんだ』
って言ったこと。
コーンをかじりながら、笑う彼女はなんだかスッキリしてみえた。
本当はずっと誰かに話したかったのかもしれない。
それが出来ないでいたのは、自分を責め続けていたからなんだと話を聞いて感じた。
それに歩未は自分の気持ち押し殺してしまうタイプだから。
私(亜優奈)にはまぁ、打ち明けてくれる率は高めだけど?
んふふ。
っいかんいかん、また思い出し笑いを……。
「って、いい加減泣きやみなよ」
「うぅ、っ」
「はぁ、なんであゆなちゃんがずっと泣いてるの?意味わかんないよ」
深くため息を吐いたかと思えば、隣で笑ってる。
その時、
音が聞こえた。
高く、
耳の奥を震わせる、
そんな音が。
……っまただ。
この音。なんだろう。
歩未には聞こえてないみたい。
残りのコーンを頬張ってた。とても美味しそうに。
──ピピッ。
この音、たしかゼテルアさんも聴こえなかった音だよね。
なんで私だけに聴こえるんだろう?
ふしぎだなぁ。