タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

「さ、行こっか」


立ち上がった歩未はやっぱどこか涼しげでいた。


くるっと翻して勝手に歩み進んでいく彼女の後を追おうと立ち上がったが、アイスが残っていることに気付いて、そのドロドロに溶けきった不気味な色を飲み干した。


それはそれはなんとも言えない不味さでした。



「あっ、待ってー!」


背中を追いかける。


歩未が笑顔でいてくれれば私はそれだけで充分。


そうだ。
これって、もうクリアしたってこと?


あ、もしかしてあの音はそれを知らせるための?


だとしたらなんてタイミングがいいのだろう。



そっか。もう完了出来たんだ。

後は……幸太郎だけか。


きっと全て終わったとき、またあの音が聴こえてくるんだろう。


私は決めてる。

笑ってお別れするんだ。
だって最期だもん。


出会って間もない私からの告白だから当然振られる。そうに決まってる。

それでいいの。
私がそう望んで来たことだから。




歩未とのデートは最後まで笑ってた。

別れ際、私は抱きついた。

ありがとう、を込めて。



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