タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
支える番
~歩未side~
家に着けばお風呂へ駆け込んだ。
湯船に浸かりながら大きくため息をこぼす。
泣いてしまった。
人前で泣くなんて。
あゆなちゃんには悪いことしちゃった。
ほとんど私の話で終わってしまったような気がする。
やっぱりまだ忘れられない。
あの光景は。
あの横断歩道を目にするだけで吐き気が襲うし、息苦しくなる。
だから、わざと遠回りしているんだ。
亜優奈との思い出がたくさん詰まった通学路だから。
ねぇ、亜優奈。
なんで一緒に逃げなかったの?
いくらあなたは人のために動いてしまう性格をしているからって、あんなに堂々と突き進んでいくなんて、有り得ないよ。
馬鹿だよ。
でもさ、──。
ブクブクと顔を沈ませた。
泣きそうになったから。
顔を出して上を見上げた。