タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

どくん、と心臓が速まる。


驚きというより、なぜか懐かしさが込み上げた。


いきなりのカミングアウトに、あの日と重なる。


あの日とは、先月の7月上旬。
亜優奈が私に突然〝告白宣言〟をしてきた日のことだ。

つまり、事故のあった日の前日。


『私、明日アイツに告白しようと思う!』とまさにこれと同じ感じに。


それよりも、なんで松崎なのだろう。
亜優奈といい、あゆなちゃんといい、目が腐ってるのかな。

なんて本人には言えないけど。


【あゆなちゃん、松崎のどこが好きなの?】


なんて送ってしまった私はなんてデリカシーのない人間なのだろうと鼻で笑った。


すぐに既読がつき、送られてきたメッセージは、【優しいところかな?】【あと笑った顔が好き】なんてまたタヌキのスタンプとともに表示されていた。



──ピコン。


2分後にまたメッセージがきた。


喉を詰まらせた。


不思議だなと思わさせられることが今日はたくさんだ。

あゆなちゃんは、不思議な子だな。

やっぱりどこか亜優奈に似ているから?


あんな可愛い顔して、めんどくさがり屋らしいし、勉強は苦手だし、恥ずかしくなると耳が茹でたように真っ赤っかになるし。


他にも一致する箇所はあったりする。


でも、世の中には同じ感覚を持っている人がいるから、そう一致させても意味がない。


そもそもあゆなちゃんは亜優奈を知らない。



全く別人だ。



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