タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

亜優奈は、事故当日、なんとか一命を取り留めた。


でも、脳に大きな衝撃が加わったため、植物状態だと判断された。


私は、見ていられなかった。
こんな痛ましい姿の亜優奈を。


情けなかった。親友なのに。支えるべきなのに。


そして、やっぱり自分を責めてしまう。


なんで、引き止められなかったのか。
私が、早く引っ張り出せていればとか。


そんなことばかり。


悔しくて、それ以上に情けなくて、亜優奈には合わせる顔がなかった。




「──亜優奈、来てごめんねっ」


ごめん。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。


亜優奈、ごめんなさいっ。


言葉の代わりに涙となって零れ落ちる。


松崎がいるのにもかかわらず、私は泣きじゃくる。


寝てないで、起きてよ。

ちゃんと謝らせてよ。



「亜優奈ぁぁ……起きてよっ」


そっと手を握って顔をうずめた。


けど、私はまた顔を上げることになる。



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