タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
「松崎は、亜優奈のことまだ好き?」
気付けば口が勝手に動いてた。
一瞬驚いた顔をしてから、彼はまぶたを伏せた。
そして、今度は私を見る。
その眼差しに、鼓動が速まった。
「好きだよ」
ふわっと笑う彼に胸が熱くなった。
「好きだから、待ってるんじゃん。信じてるんじゃん」
風が二人の間を駆け巡った。
この言葉を亜優奈の元まで一緒に持って行ってくれればいいのに。
そしたら、目を覚ますかもしれない。
なんてそんなおとぎ話みたいなことが起きるわけがないのに、いま物凄くそうなって欲しいと願う。
「あんた達ってほんとバカだよね、ほんとにバカ」
「は、なんでだよ」
「改めてそう思っただけ」
お互い好きでいるのに、腐れ縁がどうたらこうたらとか言って、伝えられないままでいるなんて、バカというか呆れる。
それに、告るって時に事故に遭うし、亜優奈ボロボロだし……。