タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
一途
~幸太郎side~
亜優奈が事故に遭ってから、約1か月の半分が過ぎた。
俺は毎日のように通い続けてる。
暇をみつけた日は迷わず行く。
本来なら関係者以外立ち入り禁止で、俺は入ってはいけないのだけれど、彼女の母親が俺と浜仲だけに了解を与えた。
理由は、『あーちゃんが喜ぶから』だそうだ。
浜仲なら分かるけど……ってその時思ったけど、亜優奈の母ちゃんがそう言うなら、俺も素直に胸をなでおろした。
大事な人の傍にいられないのは、辛すぎるから。
あの日はどうしようかと気が狂いそうになった。
あんな怖い感情を持ったのは初めてだったから。
後悔ばかりが後から全身に押し寄せた。
亜優奈は一命を取り留めたけど、植物状態で今は静かに眠っている。
普通に起きてきそうなくらい、平然な顔して。
だから、つい話しかけてしまうんだ。
『おはよう』
『今日な、お前と同じ名前の子が来たんだよ。可愛かったな~』
『はやく目、覚ませよ』
他愛ないことを話しかけても、一切返答はない。
正直、寂しい。
俺といるときはいつも喧嘩口調になってしまうから、うるさいのが黙ってるとか違和感しかないんだ。
それでも、そんなお前が好きなんだ。