タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
今日も穏やかに眠る亜優奈のそばで語りかける。
「おはよう……ってもう昼か」
「………」
「ったく、いつまで寝てるんだよ」
もうこのフレーズはお墨付きになってしまった。
なんかお見舞いのルーティンが自分の中で作られてしまったみたいで、それだけ通い続けていることに感心してる。
「もうすぐ夏祭りだよな」
ふとカレンダーに目が止まった。
「そういえば、去年風邪こじらせたんだっけ?」
浜仲の残念な顔が印象的で覚えてる。
偶然コンビニで会った午後6時すぎ。
ムスっと顔の浜仲が花火セットを手にレジに並んでいるのを発見したんだ。
俺と目が合うなり更に顔を歪ませて素通りするから、面白くって、何も買わずに後を追っていった。
「そしたらさ、浜仲ひっでーの。ま、あの口の悪さは分かってるから別にいいんだけどさー。お前のことめっちゃグチグチ言ってたぞ」
眠り続ける顔をみて少しでもいいから笑ってくれればいいのに。
なんて思いながら浜仲を思い出して笑った。