タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

横たわっていた体を気だるそうに起こしてスマホをつける。


カレンダーを開いて13を眺めた。


たぶん、俺はこの日に佐來さんに告られるんだろう。


でもそれに俺は応えられない。



「……つらい、よなぁ」


佐來さんの気持ちを考えたらそんな言葉が口から漏れた。


つらいよな。
辛いに決まってる。
俺だってつらくなるもん。


好きな人に振られてしまうという現実をみせられるんだから。



だから俺はアイツに伝えられないままなんだ。


いや、もう『伝わらない』んだ。


亜優奈はあの日俺を屋上に来させて何を言おうとしたんだろう。


アイツの大好きなチョコを勝手に食べたことへのお叱りか?

……それは無いよな?

だってアイツ俺のこと大嫌いだし。


てか、そんなことぐらいでわざわざ屋上に呼び出す必要も無い。


じゃあ、なんで。



俺は、決めてた。呼び出された日の夜から。

俺も言うことがあったから。
いいタイミングで呼び出されたな、と逆に喜んでたくらいだ。



あんな事故さえ無かったら、告ってたのにな。




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