タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

日付が変わって正午ちょうど。

今日も亜優奈の様子を見に来た。


病院ですれ違う看護師さんとはすっかり顔見知りになって、「ごゆっくり〜」とニコニコされた。


ごゆっくりって何だ?


それになんでそんなニコニコする?

俺はただ見舞いに来ただけなのに。


まぁ、これだけ長く通ってたらそう思われるのかな。


亜優奈の家族より、親友の浜仲より、俺の方が来てる回数が上回ってるし。

でも、俺たちはそんな関係じゃない。

ただの腐れ縁だし。


……いや、本当は──。


病室の前に来ると中から「じゃあまた来るね」と浜仲の声がした。


ドアの引手に手をかける暇もなくドアが静かに開かれた。



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