タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

会計を済ませると、一足先に外に出た佐來さんが空を見上げていた。


俺も隣に立って見上げた。

透き通った水色がとても綺麗だ。



「綺麗だよね」


遠くを見すえて言う彼女はどこか悲しそうだった。



「空の上には何があると思う?」

「空の上かぁ。やっぱ雲はあるっしょ」

「うん。あるよ」

「え?」



突然振ってきた話題に思うことがあった。

佐來さんは不思議なひとだ。


転入してきた日からなにか惹きつけられるひとだった。

浜仲と仲良くなってからはより惹かれた。


恋愛感情ではない何かに心がドキドキする。



それからよく見る光景に目が奪われる。



何を思って空を見上げてるのか。
何を思って浜仲を見ているのか。
何を思ってそんな苦しそうな顔をするのか。


そして今はなんでそんなハッキリ答えるのか。


彼女は本当に不思議なひとだ。



< 208 / 277 >

この作品をシェア

pagetop