タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
会計を済ませると、一足先に外に出た佐來さんが空を見上げていた。
俺も隣に立って見上げた。
透き通った水色がとても綺麗だ。
「綺麗だよね」
遠くを見すえて言う彼女はどこか悲しそうだった。
「空の上には何があると思う?」
「空の上かぁ。やっぱ雲はあるっしょ」
「うん。あるよ」
「え?」
突然振ってきた話題に思うことがあった。
佐來さんは不思議なひとだ。
転入してきた日からなにか惹きつけられるひとだった。
浜仲と仲良くなってからはより惹かれた。
恋愛感情ではない何かに心がドキドキする。
それからよく見る光景に目が奪われる。
何を思って空を見上げてるのか。
何を思って浜仲を見ているのか。
何を思ってそんな苦しそうな顔をするのか。
そして今はなんでそんなハッキリ答えるのか。
彼女は本当に不思議なひとだ。