タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

家に着くとメッセージが1件届いていた。

相手は佐來さんだった。


【今日はごめんね!変な姿みせて…(´•ω•`๑)
全て忘れてください!夏祭り楽しもうね!】



いや、俺の方こそなんか泣かせたみたいでごめんな。



そう思ってしまうほどあの最後の笑った顔が忘れられない。


これ浜仲に言ったら怒られるよな……。
いや、言わないけど!


でもそう考えると、俺はだいぶ酷いことをしてしまったんじゃないか?


告白される前に振ってしまった、っ的な?


いや、それは佐來さんが俺を好きでいると仮定しての話なわけで。


いやでも、俺は確信してしまったんだから俺を好きなことは間違いない……?


……ゔっ。俺は、なんてことを!


そんでも俺の気持ちは正直だ。


「悪いことしちゃったな」



罪悪感を抱きながら


【大丈夫。気にすんな!俺もごめんな?じゃ、また夏祭りで】


と返信すると、すぐ既読がつき、タヌキのありがとうスタンプが送られてきた。


その愛らしいキャラクターに目を細める。



思い出すのは俺の好きな人。


喧嘩なんて年がら年中だけど、それが楽しいっていうか、なんつーか。

亜優奈の笑った顔も、怒った顔も、どんな表情も、全て俺が独り占めしたいくらい。

だから、ごめん。


佐來さんとは友達のままでいたい。


俺には、倉村亜優奈っていう大切な人がいるから。



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