タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
「ごめん!結構待たせた!!」
駆け足でこちらに向かってきた人物に目を見開いた。
「ちょっと!遅すぎる!……ってあれ?」
「よっ!ついて来ちゃった〜」
「正しくは、一緒に来た、な」
二人の間に挟まって笑う人物に私は混乱と胸の高鳴りに冷や汗が吹き出た。
ななな、なんでいる??
なんで新太がここに???
いや、もうひとつ重大なことがあるんだけど。
なんで幸太郎……浴衣なの??
ちょっとそれは予想外すぎる。
や、やだ。なんでそんな格好してくんのよ。
見慣れないその姿に鼓動が速まるばかりで、今すぐにでもここから逃げ去りたい衝動が襲いかかる。
「あゆなちゃん?」
と呼ぶ歩未の声にすら気付かなかった私がようやく正気を取り戻したのは幸太郎が近くに顔を寄せてからだった。