タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

賑やかな音と美味しい匂いに心を踊らせたいところだけど、内心ヒヤヒヤな私はこれからのことを考えるだけで身震いしてしまいそうで。

夏なのに、寒い。


温かいものだって食べてるのに……。

焼きそばやたこ焼き、お好み焼き、唐揚げ、春雨スープなど。

どれも熱々だ。

それでも体は冷えっぱなしだった。



「あゆなちゃん大丈夫?」

「う、うん。大丈夫」


そう応えるけど口が震えてることに気付いてる歩未は私の手を取って方向を180度変えた。


戸惑いながら彼女の背中を見つめた。


後ろには私たちに気付いていない兄弟がいるのに。


一言言って行かなくて良かったのだろうか。



どこに向かっているかも分からず引っ張られたまま歩いていくと明るいところに出た。



< 220 / 277 >

この作品をシェア

pagetop