タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

あったかい。


瞬時に感じた。


寒さで凍えていた感覚が解けていく。
身体の芯まで。


私が連れてこられた場所はこの近辺ではよく知れてる足湯スポットだった。


夏だというのに足湯に浸かっているのはおかしいかな、と思ったけど少し安心した。

手で数えられる人数が世間話やらでわいわいしている。

そのほとんどがお年寄りだ。


背中に少しの温もりを感じたのは歩未がさすってくれているから。


「ごめんね。せっかく楽しんでたのにこんな」

「何言ってるのあゆなちゃん。気にしないで。それよりも大丈夫?」


うん、と頷くけれど内心は申し訳なさでいっぱいだ。

幸太郎たちにも申し訳ない。


歩未は幸太郎に連絡したから大丈夫だと言ってくれたけど急に居なくなったのだから私のせいで台無しになってしまった。


何やってんだか私ってば。

これから幸太郎に伝えないといけないのに。

こんなんじゃダメじゃん。



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