タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

気が付けば泣いていた。

涙腺が弱くなってしまったなぁと笑みを浮かべた。


隣にいる歩未はそんな私の頭何も言わずただ優しく撫でた。


こんな男前な親友にちょっと自分に嫉妬する。

今は『私』じゃないから。


今の私はニセモノの私だから。


ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、素の姿に戻りたいな──。


──!


また、だ。

また音がした。電子音みたいなものが。


……歩未には聞こえていないみたい。


やっぱりこの音私だけにしか聞こえないみたい。


なんでだろう?

変なこと考えちゃったからかな?

ま、それはありがたいかも。

この音便利な機能なのかもしれない。


ゼテルアさんがこっそり付けてくれたのかも!

私に言わないだけであって。

秘密主義だからなぁゼテルアさん。


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