タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

「私、ゴミ捨ててくるね」


みんながひと息ついたところで声を掛けた。

空になった容器を集めると歩未が遠慮する。

それに首を横に振った。


「いいよ。だってすぐそこだから。それに歩未ちゃん足痛めてるよね」


歩未は不意をつかれたかのように小さく声を漏らした。

ふふん。歩く時ぎこちなかったのを私見逃してないからっ。


「少し休んでて。ね?」

「……わかった。ありがとう」


観念したように口を尖らせる姿を見ると身を翻してゴミ箱へ向かった。


これで少しひとりになれる。

そう心にゆとりが持てた。

これからの事を考えたかったから。


タイミングが分からない。
告白するタイミングが。

そもそも新太がいる時点で状況が変わってしまった。


歩未はちゃんと二人の時間をあげるからと前もって言ってくれたのに。


どうしたものか。


< 225 / 277 >

この作品をシェア

pagetop