タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

悩み、考えても、上手くまとまらないままゴミ箱に到着した。

出店から離れているせいか人はそんなにいない。

だんだんと日が沈んで辺りは暗くなってきていた。


3人の元へ戻ろう。

そう振り返ると目を見開いた。



「新太くん」



今はとても2人きりにはなりたくない人物がいた。

慣れない呼び方なわりに意外とすんなり言えたことにほっとする。


近くに寄ると改めて背が伸びたなぁと感心した。

ま、それは私が背の低い女の子になったからそう感じさせられるのかもしれないけど。


そんなことよりも嫌な予感しかしない。

なんで新太がいるの?
歩未と幸太郎と一緒にいたよね?

……私の後をつけて来たってこと?



「新太くんついてきたなら言ってくれればよかったのに」


そう笑ってみせるけど、まだ幼い顔は私を見つめるばかりだった。

ふと、あの言葉を思い出した。


『なんか見えちゃうんだよね、俺の目』


生まれ変わって初めて新太と会ったあの日。

ドキリと嫌な音を立てる。

目を合わせてはいけないと警告されているみたいだ。


「し、新太くん?」

「佐來さんは本当に亜優奈じゃないの?」


やっと口が開いたかと思えばこう聞いてくる。

でもそれは想定内だ。


「前にも言ったけど、違うよ」

「…………」

「ごめんね?」


黙る新太になぜか出てきた言葉は謝罪だった。


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