タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

「松崎くん」

「んー?」


空を見上げたまま彼の名を呼んだ。

ちゃんと伝えるのだから顔を見て言おうと決めてたのに出来ないのは

幸太郎の顔を見たら泣いちゃいそうだから。


これを言ったらもう幸太郎に会えなくなってしまう。


言わなければいいのかもしれない。
そしたらずっと一緒にいられる。

だけど、これは私の運命だ。


1ヶ月の間で成さなければいけない課題。


成し遂げられなければ私は天国へ逝く許可を与えられない。


もう私には時間がない。


今しかもう伝えるチャンスがない。


頑張れ私。

心臓が痛いくらいドキドキしてる。

握る手に力がこもる。



「あのね、私──」



私がやっと口を開いた時だった。

誰かの着信音が鳴った。



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