タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
「ごめん。幸太郎。もう時間がないんだ。私がここに来たのはちゃんと理由があって」
「理由?どんな?亜優奈は死ぬの?まだ生きてるんだろ?なのになんでこんな事までして……! えっ、おま、体薄くなって……」
その言葉に促されるように私自身を見ると本当に体が透けていた。
やっぱり時間は許してくれないみたいだ。
……本当に消えちゃうんだ。
そりゃ神様との約束だもんね。
「ちゃんと話を聞いて幸太郎。伝えたいことがあって私ここに来たんだよ。あの事故があった日。……覚えてないとは言わせないから!」
「お、うん」
キョドった彼にこんな時でもキュンと胸がなるなんてあほか。
私の方がしっかりしないといけないのに。
「ちゃんと好きって。あんたに好きって言えなかったから。死んだ人って簡単に天国に行けるわけじゃないみたいでさ。だからこうして違う姿になってみんなの元に降り立ったわけで……」
ちがう。もっと簡潔に言わなきゃ。時間が!
そう思っていても回りくどい言い方しか出来なくて時間ばかりが過ぎていく気がしてならない。
気付いた時には私の体は次第に薄くなるだけじゃなく、下半身がほとんど消えていた。