タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
「おばあちゃん!!」
胸の中に飛び込んだ勢いでおばあちゃんの懐かしい匂いに包まれる。
ふんわり香る柔軟剤は心にある悲しみを湧きたてた。
止めどなく溢れる涙は一つひとつ今までの思い出を振り返っているみたいだ。
「あーちゃんほら泣かないの」
背中をぽんぽんと撫でてくれるその優しさにこの涙は止まることを知らない。
「おばあちゃんっ……おばあちゃんっ……わたしっ、死んじゃった、死んじゃったぁ」
ちゃんと好きって伝えたのになんでこんなに悲しいんだろう。
もう二度と戻ることも出来ない。
あの他愛ない日々がもう二度と。
「あーちゃん。あーちゃん聞いて?」