タイムリミットは君にサヨナラをするまで。



どんどん近くなってくる声に少し恐怖を覚えた。


何も見えないし、この場には私1人しかいない。
なのになんで声がするの!?

しかも笑ってない?!
や、やだ。
怖いっ!



こんな時歩未がいれば……──!?


急に目の前が光った。


小さく発光したその周辺の白よりもっと白く光っているそれは、だんだんと肥大していく。

それと共に発光も強くなって、私は目を閉ざさずにはいられなかった。



ギュッと強く堅く瞑った目に光が差し込む。



「っ、な、ナニ!?」


なんなの!?この光。
眩しいというより痛いんですけどっ。


あまりにも強いから両手で顔を覆った。

少し和らいだ光にほっとして、指の隙間から外の世界|《けしき》を覗いてみる。



?……なんだろう。あの白い塊は。


手を剥がして鮮明に見てみたいけど、まだ強く発光しているから全然近寄れない。そして、見れない。


目を細めながら白い塊を凝視していると、その光は徐々にしぼんで、視界がクリアになった。



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