タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
上を見上げると幸太郎が笑っていた。
なんなのコイツ。笑ってやがる。
人が! 頑張って! 告ったっていうのに!!
「ははっ。すんごい顔」
「あ、アンタねえ!」
「俺も好き」
そう言って私の髪をくしゃくしゃし始めた。
顔を見たくても後ろにいるから見えない。
挙句の果てになんか抱き締められちゃってるし……。
な、なに!?今度は!
訳が分からない。
「亜優奈、おかえり」
その言葉は震えていた。
耳元ですすり泣く声に私も泣きそうになった。
「ただいま」
片手で彼の頭を撫でる。
しばらくこのままにしておこう。