タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
落ち着いた頃、深いため息をして私から離れていった。
我に返ったかのように何かをブツブツと嘆いている様子だ。
「もうなんなの? さっきから忙しいね」
「いやほんと無いわ。俺泣くつもり無かったのにさ。ほんと俺ないわ〜」
「いいものが見れて私は良かったけどね〜」
泣いてる幸太郎なんて初めてだから嬉しかったし面白かったし可愛かったしいろいろだよね。
笑っているとぐるっと方向転換して進みはじめた。
もう帰るのかと肩を下ろすと再び止まった。
「移動しただけで肩落とすとか子どもかよ。そんなに俺と居たかった?」
私を覗いてみる彼の顔が見れない。
何を言い出すかと思えばなにそのセリフ。
どこで学んできたんだ。
これ以上ドキドキしたくなくて顔を背けると右側に彼が座った。
「やっと座れた」
なんて言う声があまりにも近すぎて思わず耳を塞ぎたくなる。
もう、なんでこんな近いのさ。