タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
深呼吸を何度も繰り返す。
そんな彼に私の緊張の糸が緩んで笑ってしまった。
笑うなよ と口を尖らせる幸太郎に、
ごめん と手を合わせるとまた一つ息をついて言った。
「俺からのお願いです。俺の彼女になってください。これから先、喧嘩することもあると思うけど、俺のそばにずっと居てほしい」
なにを言い出すのかと思った。
内心ドキッとさせながら、当たり前じゃん と笑って頷く。
「では、彼氏からのお願いです」
大きく胸が高鳴った。
さすがにこれは動揺せざるを得なかった。
聞き慣れない『彼氏』にドキドキする。
「亜優菜が好き。俺が幸せにするから。だから、……俺と結婚してください」
頭を下げる彼に私の頭は大混乱してて何が起きたのか瞬時には把握出来なかった。
開いた口が塞がらない。
理解できた頃には涙とともに笑っていた。
「ははっなにそれ……あははっ……なんで、こんなところで言うのさ」
「しょうがないだろ忘れてたんだから。そりゃあさっき言えばよかったって思ったけどさぁ …………バカ、泣くなよ」
涙を拭ってくれる彼が愛おしい。
結婚なんてずっと先の話じゃん なんて思った自分が情けない。
正直嬉しかった。
嬉しすぎて笑っちゃう。