タイムリミットは君にサヨナラをするまで。


「あゆなん、生まれ変わってみたいの?」

「えっ」

「あっ、ごめんなさいね。嫌だったかしら勝手にあだ名つけちゃって」

「いや、それは別に気にしてない、っていうか……」



そこに驚いたんじゃなくて、私口に出してたっけ?

そもそもさっきから妙に私の考えてることとか見透かしてるような気がしなくもない。


人差し指で頬をかきながら私の様子を伺ってくる目の前の人物になんとなく聞いてみた。



「私、そんなこと言ってました?」

「うーん。言ってたっていうより、『聞こえた』って感じね」

「えーっと、それはどういう……?」



そう返すと満面の笑みを向けられた。
まるでその質問を待ってました!と言わんばかりに。



「私、聴こえちゃうのよ」

「はい?」

「全ての生きているものの声が」

「だから、それは……?」



その口から発せられるのは真実なのか否か。


信じがたい状況にいまだ頭が追いつけていない私に電子音のような音が聞こえてきた。






──ピピッ。




それはこれから私の第二の人生が始まる音。

そして、真実を知る瞬間の音だと。


倉村亜優奈は死ぬ運命にあるという事をこれから告げられることを。


この時は知る由もない。



妖艶に髪を耳にかけるその人に思わず見惚れるも、ゴクリと息をのみ先の言葉を待つ。




「だって私、神様なのよっ☆」



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