タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

これでお別れなんだと思うと少し寂しくなった。
神様とはなんだか気が合いそうだと感じたから。


そっか。
ピヨちゃんともお別れなんだね。
もっと触ってたかった。


綺麗な手に自分の手を重ねようとして、寸前で止めた。


これを聞かないわけには元に戻れないと思ったから。



「あの。名前、教えてください」

「なまえ?それ聞いてどうするの?」

「ただ知りたいだけです」



だって、これが最後でしょ。
貴重な出会いだもん。
だって神様だよ!?



名前くらい覚えていたいじゃん?


私が笑顔をみせると、神様ははじめて違う顔をみせた。


名前聞いたことくらいでそんなに驚くことかな?



「神様って、おもしろいね」

「そうかしら?初めて言われたわ。ありがとう」



そしてまた綺麗な顔で笑うから、これが神様の笑みなんだなと思った。




「私の名前は、ゼテルアよ」





手を重ねた瞬間、白い光に包まれた。とても心地よくてあたたかい。


それから上へ吸い込まれるような感覚を肌で感じて、いよいよ元の世界へ戻れるんだと嬉しくなった。





さようなら、ゼテルアさん。お元気で。



また、会逢える日を──。





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