タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
家から学校までかかる時間は約30分。
坂もなく、一本道で行けるからとても良い高校を選んだなと毎回思う。
ただ、信号が多すぎる。
住宅街を抜けると大通りが広がっていて、たくさんの車が行き交っている。
1つ目の信号にたどり着いた。
ちょうど青に変わったので、少し上げていたスピードを落として渡りきる。
ここからあと2つも渡んないといけないと思うと自然とため息がこぼれた。
2つ目の信号は赤に遭ってしてしまった。
空をなんとなく見上げた。
綺麗な水色にふわふわとした雲が4つ浮かんでいる。
小さい時はあの雲を食べたいなんて可愛いこと言ってたけど、もう高2だからあの雲が何で出来ているか承知済みだ。
でもなんでだろう。美味しく見えてしまう……。
頭に浮かんだのは、ふわふわした真っ白な綿あめ。
……雲の上の世界にも、綿あめってあるのかな?
そしたら、是非食べてみたい。
雲で出来てたりするのかな。味は──。