タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
ぼんやり上の世界のことを考えていると、背中に衝撃が走った。
驚いて振り向くと、視線の先に不敵な笑みを浮かべた歩未がいた。
「おっはよ~、亜優奈!」
「……おはよ。痛いんだけど」
「ばかみたいな顔してたからやってやったり〜!、って今日元気ないじゃん……?」
あ、そこはスルーするんだね。
悲しいけど許す。
すぐ私の心情を読み取ってくれたから。
でも『ばか』は言い過ぎじゃない?ま、それも許すけど。
「あ、そっか!今日だっけ?」
隣に並びながら小さく聞く彼女に、私はぎこちなく頷いた。
歩未には事前に言っといたんだ。この日に告白するってことを。
そう!この私が!告白をするんだ……!
しかも、今日!
「うあああ、どうしよ!あゆみーーーーっ」
突然荒らげた声に歩未もその場にいた人たちも、肩を弾ませて私を見た。
その様子に目もくれず、ただ歩未の肩を揺らし続けた。