タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

「ゼテルアさん、私の全て話してくれてありがとうございます」


そうまずは慎重に。



「神様って、本当に凄いんですね!まさか私の最期まで知れてるとは思いませんでした」

「そんな、褒められるようなことしてないわっ。ふふ、ありがとう。あゆなん」


よし、褒め作戦成功。



「ところで、ゼテルアさん。ここって天国なんですよね?」


尋ねながら椅子から離れてゆっくり近づいていく。



「ええ、まあ。……天国っていうよりはまだ入口ってところだけど」

「へー、まだ入口なんだー……」

「ちょ、あゆなん!?近っ……あ!」


手に取ったものを両手で包み込みすぐその場から離れた。


小さくガッツポーズを取って、一定の距離をとった先で手を伸ばす人をみて笑う。


あ然とした顔はすぐ厳しい表情に切り替わって私に近づこうと一歩踏み込む。



「返しなさい!」



叱るように言うゼテルアさんに否定の声をあげながら同じく距離をとる。



< 61 / 277 >

この作品をシェア

pagetop