タイムリミットは君にサヨナラをするまで。

大部屋まで戻ってきた私たち。


ゼテルアさんは椅子に腰掛けて新しく注いだ紅茶を口にしていて、幸せそうに微笑んでいる。


一方、私はというと。


一人寂しく椅子に座ってテーブルに泣きながら突っ伏している。

泣いているというのは言い過ぎだけど。

心が痛い。悲しい。さっきまでの努力返してほしい。



「もー!」


何度目かの嘆きの声をあげるとゼテルアさんが呆れたように笑った。



「なんで笑うんですかー」

「それは面白いからよ」

「面白い面白いって、さっきからそればっかじゃないですか。他に何かあるでしょ」

「……じゃあ、かわいい?」



はぁ。

だから、そんな言葉が聞きたいわけじゃないんだよ。

分かってないなあ。私が言いたい事聴こえてるんでしょ。


なんでこういう時だけ、とぼけるようなこと言うかなー。


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