タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
「これって……」
そう指さしたのは3ページ目の下半分に書かれてある年月日。
そこには今日の日付が書かれてあった。
「そう、あゆなんは決まっていたの」
「へ、へぇ~。そうだったんだ」
「私はあなたの最期を知っていたから、迎えに来たのよ」
眉毛を下げて小さくつぶやいた謝罪の声。
謝ることなんてないのに。
なんだか逆にこっちが申し訳なくなる。
だってこの手帳はその人の運命そのものなんでしょう?
神様が勝手に決めていたらそれこそ殴りかかっているかもしれないけど、これは運命。
ゼテルアさんはただそこに書いてある内容を把握して、亡くなった人をお迎えしに行っているだけなんだ。
「ゼテルアさん、そんな顔しなくていいですよ」
神様相手に何やってるんだか、私は。
安心させるように口角を上げてみせる。
「私は大丈夫です。まぁ、ショックはまだ消えていないけど。これは運命だから。仕方ないことですよね」
「……あゆなん」
「でも、……ってえ!?ちょっとゼテルアさん?!」
なんで泣くの!?
私泣かせるようなこと言った?
「違うのよ。あゆなんがあまりにもいい子過ぎるから〜……っ」
そう言って流す涙はとても綺麗だった。