タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
軽く朝食を済ませて(パンと味噌汁を食べた。意外とおいしかった)、制服に着替える。
いつも着ていた制服なのに、少し違和感を覚えたのは私が別人に生まれ変わったからだ。
身長が10cmくらい縮んだと思う。
明らかに目線の位置が違うからね。
鏡の前に立って身だしなみを整える。
「本当に別人だね。私って分かんないよ」
「性格は変わってないから、これからその子らしく振る舞うように気を付けなさいよ」
鏡越しでアイコンタクトをとって頷く。
確かに、中身は全然変わってない。
そっか、この子に合わせないといけないのか。
なんか大変そう。
鏡に映っているその子(私)を指で撫でる。
透明感のある肌に、ストレートヘア。くっきり二重に、くりっとした目。
自分とは真反対の容姿が当たり前のように同じ動作を繰り返す。
笑ってみると別人の私は花がふっくら咲いたような優しい笑みを浮かべた。
本当にかわいいと思った。
「ねえ、もし1ヶ月の間に解決出来なかったらお仕事って具体的に何をするの?」