タイムリミットは君にサヨナラをするまで。
「佐來さん、ここで待ってて。
俺が呼んだら入ってきていいから。
緊張すると思うけど、さっき説明した通りにやってください」
そう告げられて高橋先生は教室へと入っていった。
先生が生徒に話す姿をみて私は先ほどの会議室でのことを思い出す。
先生の顔を見たとき泣きそうになってしまった。
そして嬉しかった。生まれ変わってもまた先生のクラスでいられたことに。
1年の時からお世話になってきたから。
会ってすぐにいっちゃん(下の名前が『一』だから)の笑顔に活気が無いようにみえた。
なんだか胸が締めつけられる感覚が襲ってきて、それを振り払うように笑ってみせると今度はちゃんと笑顔で返してくれた。
それにほっと胸をなで下ろすと、これからの順序を説明されて今に至るんだ。
いっちゃんと目が合った。そして呼ばれる。
私は一歩前に進んでドアに手をかける。大きく深呼吸を2回した。
ゼテルアさんの言葉を思い出して新たな一歩を踏み出した。