君に向かって手を伸ばす

『1.2.3.……9』

みっちゃんが買ってきたチョココロネが4っつ、木村君が買ってきたチョココロネが5つ…。

「はる、どうかした?」

『今9個もここに…。』

700人近くいる生徒の中からこのチョココロネを食べたれるのは14人に1人。
しかもこのチョココロネが売られる日はお知らせが来ない…。
週に2回くるときもあれば一度も来ないこともある…。


「木山。優しいのな。」

声がして振り返ると泉君が。

『あ…。泉君?』

「1人2つまでとか限定したらいいのにな。」

私が勝手に一人で考えていたことに共感してくれた泉君。
まぁこんなことどうでもいいんだけど……。
こんなことをほのぼのと考えられて平和だなぁ。

「泉にはわかるか…。」

「え、?なんの話??木村わかる??」

「わかるわけがない…。栗田いてよかったわ。」

「まぁいいのよ。能天気なお二人は好きに食べて。ね?はる。」

『うん。幸せそうだし。』

木村君も、みっちゃんも話についてきてないみたい。
性格でるなぁ。

「はる~ゆうか~。仲間外れはやめてよ~。」

「俺も俺も!」

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