『コーン』な上司と恋なんて
(ミトン……何処にやったっけ)
お菓子作りの必需品。
いつもは必ずレンジの側に置いてるのに無い。
(仕様がない。布巾で持つか)
食器拭き用の布巾を握りしめた時、部屋に続くドアが開いた。
「今、『アチッ』って声が聞こえたんだけど」
ワイシャツ姿の課長が出てきてビクつく。
ネクタイを外して首元を緩めてる。
隙間から焼けた素肌が見えて、色っぽい上に鎖骨の一部が骨張ってて如何にも男らしい雰囲気が漂ってる。
「どうした?」
ぼぅっとしてる私に再度問いかけがあった。
課長の体を観察してる場合じゃなかった。
「あ、あの、レンジの中の物が熱くて…」
自分が皿に置かずに加熱処理をしたのが原因だけど、課長にそうとは言えず指差す。
「ああ、なんだ。コレ?」
ひょいと指で摘んで出してくれた。
カティングシートの上に置いてくれて、「何が出来るんだ?」と尋ねられた。
「鍋物にしようかと思います」
種類までは言わずに答えると「いいねぇ」とほくそ笑む。
こっちは素肌を見せてる課長の首元をガン見しそうでいけない。
「急いで作るので向こう行ってて下さい。手元を見られると緊張して怪我しそうです!」
どうぞ、どうぞ…と部屋の方を指差した。
課長は肩を落としながら息を吐き、「暇なんだよな」と言った。
お菓子作りの必需品。
いつもは必ずレンジの側に置いてるのに無い。
(仕様がない。布巾で持つか)
食器拭き用の布巾を握りしめた時、部屋に続くドアが開いた。
「今、『アチッ』って声が聞こえたんだけど」
ワイシャツ姿の課長が出てきてビクつく。
ネクタイを外して首元を緩めてる。
隙間から焼けた素肌が見えて、色っぽい上に鎖骨の一部が骨張ってて如何にも男らしい雰囲気が漂ってる。
「どうした?」
ぼぅっとしてる私に再度問いかけがあった。
課長の体を観察してる場合じゃなかった。
「あ、あの、レンジの中の物が熱くて…」
自分が皿に置かずに加熱処理をしたのが原因だけど、課長にそうとは言えず指差す。
「ああ、なんだ。コレ?」
ひょいと指で摘んで出してくれた。
カティングシートの上に置いてくれて、「何が出来るんだ?」と尋ねられた。
「鍋物にしようかと思います」
種類までは言わずに答えると「いいねぇ」とほくそ笑む。
こっちは素肌を見せてる課長の首元をガン見しそうでいけない。
「急いで作るので向こう行ってて下さい。手元を見られると緊張して怪我しそうです!」
どうぞ、どうぞ…と部屋の方を指差した。
課長は肩を落としながら息を吐き、「暇なんだよな」と言った。