『コーン』な上司と恋なんて
「実は、そのジョンの子供が仔犬を産んだと連絡があったからなんだ。芦原さんの部屋で飲んだ後、自分の部屋に帰って直ぐに」
頬から手を離し、課長の目はジョン君の遺骨に向けられる。
私は少しガッカリしながらも、課長の話に耳を傾けた。
「金澤さんに頼んでたんだ。仔犬が生まれたら連絡して欲しいって」
新年会で2人がコソコソと話し合ってたのは、ジョン君が病気であることを教えてたそうだ。
金澤さんはショックの余り驚いて、「どうにもならないの!?」と叫んだらしい。
(それであの時……)
複雑そうな表情を浮かべてた理由が解明出来た。
課長が新シリーズの化粧品について話を聞きに行った際、間もなくジョンの子供が仔犬を生みそうだ…と教えられた。
「ジョンを亡くしてから、父親がすっかり落ち込んでてさ」
朝と夕の散歩をしてたのはお父さんだった。
急に張り合いを無くして、毎日遺骨の前で沈んでたらしい。
「母親にも『また犬を育てたいわね』と言われたから、彼女に面会を求めた。仕事の都合もあって、あの土曜日しか空いてない…と言われたんだ」
地元へ帰るとなると、朝は結構早くにこっちを出ないといけない。
私を起こすのも忍びないと思い、あの時間にキャンセルを申し出た。
「急に断るとまた信用を無くすんだろうな…と思ったけど、父親にも早く立ち直って欲しいと思ったからさ」
頬から手を離し、課長の目はジョン君の遺骨に向けられる。
私は少しガッカリしながらも、課長の話に耳を傾けた。
「金澤さんに頼んでたんだ。仔犬が生まれたら連絡して欲しいって」
新年会で2人がコソコソと話し合ってたのは、ジョン君が病気であることを教えてたそうだ。
金澤さんはショックの余り驚いて、「どうにもならないの!?」と叫んだらしい。
(それであの時……)
複雑そうな表情を浮かべてた理由が解明出来た。
課長が新シリーズの化粧品について話を聞きに行った際、間もなくジョンの子供が仔犬を生みそうだ…と教えられた。
「ジョンを亡くしてから、父親がすっかり落ち込んでてさ」
朝と夕の散歩をしてたのはお父さんだった。
急に張り合いを無くして、毎日遺骨の前で沈んでたらしい。
「母親にも『また犬を育てたいわね』と言われたから、彼女に面会を求めた。仕事の都合もあって、あの土曜日しか空いてない…と言われたんだ」
地元へ帰るとなると、朝は結構早くにこっちを出ないといけない。
私を起こすのも忍びないと思い、あの時間にキャンセルを申し出た。
「急に断るとまた信用を無くすんだろうな…と思ったけど、父親にも早く立ち直って欲しいと思ったからさ」