『コーン』な上司と恋なんて
「悪かった…」


そう言う課長の顔を見て、ううん…と首を横に振る。


「私こそ電話をかけ直しもしないでごめんなさい。課長の着信に気づいたのも遅くて、かけるタイミングを逸してしまって…」


土曜日に見るのが遅くなったのは、悠生へのバースデイプレゼントの購入を頼まれたからだと言った。


「ゆうき君というのが甥っ子?」


「そうなんです。私と一緒にお菓子を作るのが好きで、最近は料理もしたがるからキッズ用の包丁とかを頼まれちゃって」


自分は子供向けの料理本を買って贈ったと話した。
それを姉婿に届けたのが月曜だと言ったらーー


「あっ!あの人、そうだったんだ!」



急に声を張り上げるから何事かと思った。

課長はバツの悪そうな笑みを見せ、昼休みに私を探してた時に、由輝さんと話してるのを見かけた…と言った。


「なんか嬉しそうにしてるな…と思うとムカついてきて。彼氏いないとか言ってなかったか!?って、変に気分を逆撫でされたよ」


……そうか。それで態度が冷ややかだったんだ。


「私は課長みたいにいい加減なことは言いませんよ」


「それは重々知ってる」


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