『コーン』な上司と恋なんて
「縁起のいい物貰ったからお返しをしないといけないんだけど、残念ながら何も持ち合わせてないんだ。だから、ここの代金は俺が払う。…と言っても、キツネうどんじゃ安過ぎるけど」
悪い…と謝る課長に「いいえ」と首を振った。
こっちは200円の御神籤に付いてた景品だからもっと安い。
(こんな安上がりなプレゼント交換じゃなくて、もっといい物あげたい!)
そうは思っても高嶺の花みたいな存在の課長。
私が何か贈らなくても、きっと素敵な人からの贈り物がある筈。
肩身の狭くなる思いで店を出た。
課長に奢ってもらったお礼を言うと、晴れやかな笑みを浮かべて返された。
「こっちこそ、御守りサンキュー」
ああもう、課長ってば本当に素敵。
こんなプライベートで会えるなんて、夢みたいな気分だった。
できればもっと一緒にいて、いろんな話がしてみたいけど。
「これ帰って早速ジョンの首輪に付けるよ。本当にありがとう。芦原さん」
お礼を言うと直ぐに車に乗り込んだ。
何だか急いでるみたいで、こっちは言葉もなく見送る。
「気をつけて帰れよ」
はい…と言うと車は発進して行った。
その去って行く方向には、港町が見える。
課長の実家はあの町のどこかにあって、そこには私の知らない課長の家族がいる。
もしかしたら、恋人もいるのかもしれない。
さっき店に入った時、店主が私を奥さんと間違えたのもそれでなのかもしれない。
悪い…と謝る課長に「いいえ」と首を振った。
こっちは200円の御神籤に付いてた景品だからもっと安い。
(こんな安上がりなプレゼント交換じゃなくて、もっといい物あげたい!)
そうは思っても高嶺の花みたいな存在の課長。
私が何か贈らなくても、きっと素敵な人からの贈り物がある筈。
肩身の狭くなる思いで店を出た。
課長に奢ってもらったお礼を言うと、晴れやかな笑みを浮かべて返された。
「こっちこそ、御守りサンキュー」
ああもう、課長ってば本当に素敵。
こんなプライベートで会えるなんて、夢みたいな気分だった。
できればもっと一緒にいて、いろんな話がしてみたいけど。
「これ帰って早速ジョンの首輪に付けるよ。本当にありがとう。芦原さん」
お礼を言うと直ぐに車に乗り込んだ。
何だか急いでるみたいで、こっちは言葉もなく見送る。
「気をつけて帰れよ」
はい…と言うと車は発進して行った。
その去って行く方向には、港町が見える。
課長の実家はあの町のどこかにあって、そこには私の知らない課長の家族がいる。
もしかしたら、恋人もいるのかもしれない。
さっき店に入った時、店主が私を奥さんと間違えたのもそれでなのかもしれない。