『コーン』な上司と恋なんて
スケジュール帳に新年会と書き込んだところでサラダが届いた。
課長は手帳を閉じ、後は食べてから決めようと言った。

年末の出来事も年に一回あるか無いかのようだと思ったけど、こうして課長と再びお昼が食べれるなんて、まるで夢でも見てるみたい。

銀色のフォークを手にサクサクとサラダを食べてる姿も様になってるし、それを向かい合った席から見てられるのも不思議な気分。

お正月休みはどんな事をしてたのか聞きたい。
でも、彼女とデートしてたなんて報告は聞きたくもない。



「「 あの 」」


声が被ってお互いに視線を交わした。
目の丸くなってる課長と同じタイミングで瞬きをする。


「何?」


課長ってばズルい。
私が驚いてる間に質問した。


「…いえ、あの、ワンコ君は元気かな…と思って」


目線を下げつつ問い合わせた。
課長の方からクスッと小さな声が聞こえ、「元気だよ」と返事が戻る。


「芦原さんの御守りに護られてるからかな」


そう話す声が嬉しそうだった。
今も首輪に付けられてるんだ…とわかり、こっちも気分が晴れやかになる。


「そうですか。良かった」


課長のストラップアクセはどうですか?と聞いてみたい。
今ここでスマホを出してくれればいいのに。


「芦原さんは?正月中、神社へは参った?」


「はい。私は毎年、家族全員で三社参りをするのが習慣で」


「へぇ。家族全員と言うと?」

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