『コーン』な上司と恋なんて
(そっか……バツイチか……)
成る程なぁ…と妙に納得がいくのが歯痒い。
部下を食事に誘うことくらい、平然とできる立場にあるんだ。
(……と言うことは、結婚なんてもう懲り懲りと思ってる?)
結婚退職が夢の私には釣り合わない相手ってことじゃないか。
(なんだ……そうなのか……)
目線を落として、はぁ…と深く息を吐く。
その途端にハッとして、頭をブルブルと横に振った。
(ちょっと待ってよ。私は単に課長に憧れてただけだし……)
なのに、どうしてこんなに気落ちしてるんだろう。
課長が誰と結婚してたからと言って気にする必要もなく、これからも今まで通り、憧れ続けていればいいだけなのに。
(あぁ〜〜何かモヤモヤしてるっ!今夜帰ったらお菓子作ってヤケ食いしよう!!)
明日気が向いたら実家に帰って悠生と遊ぼう。
あの子と遊んでたら、こんなモヤモヤ感も消えて失くなる!
「うんっ!」と声に出して頷いた。
課長のことはそれからも頭を離れず、ずっと胸の奥で燻り続けていた。