『コーン』な上司と恋なんて
私は歩き始めた課長の腕を掴み、ぎゅっと握って離さなかった。


「芦原さん……?」



振り返った目が赤い。
やっぱりさっきは泣いてたんだ。




「……教えて下さい」


「何を?」


「課長の、胸の内にあるもの」


いつも聞いてきたのは噂ばかり。
課長の口から何一つ本当の事は聞いたことがない。


「私……課長のことが気になります!このままで置かれたら、悩んでまた胃が悪くなります!」



本当にそうなりそうだと思って言った。


課長は目を丸くして、唇を開けたまま、私の顔を見据えていたーーー。



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