契約彼女にした理由
契約彼女

誤解から始まる契約

抵抗する妹の美月(みづき)の腕を掴み、ズルズルと歩いていく。



「お姉ちゃん、ちょっと待って。」


「待たない。誰よ?私が言ってあげる。」


「いいの。もう会いたくないから。」



私は足を止めて美月を見た。



「美月が遊ばれて泣かされたのを見過ごせないでしょう?誰よ、教えなさい。」


「今日、来てるか分からないし。」


「どうせ、ろくでもない男でしょ。女でも探してるに決まってる。ほら、行くよ。」



また美月の腕を掴み歩いていく。観念してのか美月が大人しくついてきた。


最上階にある会員制VIPラウンジに入っていく。入り口の黒服とは顔見知りだ。



「これは吉良様。いらっしゃいませ。」


「ふふっ、お疲れ様。」



私は挨拶をしてムードのある店内を歩いていく。一角には人だかりが出来ている。



「ビンゴ。美月、誰よ。」



私は足を止めて人だかり出来ている一角に視線を向ける。美月の大きな溜め息が聞こえてきた。
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