契約彼女にした理由
母との会話を終わらせた俺はベッドに寝転んで目を閉じた。



『後悔するより行動するべきだと思うわよ。』



「後悔………か………。」



頭の中で葉月のウェディングドレス姿を思い浮かべる。


隣には――――。



「チッ、………あり得ないな。」



天敵誠を思い浮かべる。


葉月の隣に他の男?


あり得ない!


結局、俺は葉月と結婚したいって事か?



悶々と葉月との未来を想像する。



「ははっ、ははっ、ははっ………。」



一人しかいない俺の部屋に、俺の乾いた笑いが響き渡る。



「俺の未来には葉月が必要って事だろ?」



葉月との未来は容易に想像できる。


朝、ベッドに眠る俺をエプロン姿の葉月が起こし、テーブルには温かい食事。


休みには二人で出掛けて、お互いが言いたい事を言い合う。


そして、葉月と俺の子供も―――。



「二人は欲しいな。」



そう、葉月との未来は容易に想像できる。
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